東伏見小の「東伏見歴史館」特別公開 第10回縄文の森の秋まつり
縄文時代の大集落が地下に眠る「下野谷遺跡公園」(西東京市東伏見6丁目)で、[2016年]10月9日(日)、第10回縄文の森の秋まつりが開かれた。開園から10年を迎えた今回は、火おこしや勾玉づくりの他、公園近くの東伏見小学校にある「東伏見歴史館」も特別公開された。朝降っていた雨も昼前にはやみ、700人を超える親子連れなどが訪れ、古代人の生活に思いをはせた。
公園会場では、はずみ車を使った「舞ぎり式」で火をおこしたり、ろう石を紙やすりで削って勾玉のペンダントを作ったり、手作りの弓矢で猪や兔の絵柄の的あてをするなど、遺跡の保護に協力するさまざまな団体などが、子どもらに丁寧に遣り方を教えていた。また、縄文の土笛と呼ばれる複製の縄文笛の演奏もあった。
公園から徒歩約3分の東伏見小学校では、西東京市から預かり保管していた多数の古民具などを公開しようと2013年、当時の5・6年生の有志と一緒に空き教室に「東伏見歴史館」を開設。今年の開校60周年と昨年の下野谷遺跡国史跡指定を機に、展示品を整理してリニューアルした。
室内には、下野谷遺跡から出土した石器や土器、脱穀機、臼や杵などの農具や調理道具などの民具、消防人力ポンプなど昔の消防器具、東伏見小学校の歴史などの資料が、コーナーごとに展示され、それぞれ説明書きが添えられている。歴史館を一緒に作った当時小学校5年生だった五十嵐詩織さんは「歴史が好きなので参加しました。古いけどしっかりできた道具ばかりですごいなと思っていました。完成したときはすごく嬉しかった」と笑顔を見せた。
下野谷遺跡は、4000年から5000年前の縄文中期の大集落跡。全体規模は石神井川の南側高台と青梅街道に挟まれた13万4000平方メートルに上る。遺跡は2007年4月に同公園を開園して地下に保存され、昨年3月には国史跡に指定されている。
西東京市社会教育課学芸員の亀田直美さんは、「開園から10年間、市民のみなさんやスタッフの方にご協力をいただき、厚くお礼申しあげます。初めはスタッフの方が多かったまつりも、今では参加者の方でいっぱいです。これかもみんなで下野谷遺跡を守ってほしい」と話していた。
(柿本珠枝)
【関連情報】
・ありがとう祝10周年!未来につなぐ したのやの○(わ)(平成30年3月までの下野谷遺跡情報、西東京市Web )
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