小平市が環境基本計画の骨子を動画配信 素案作りに向け市民の意見を募集
地球温暖化が原因とみられる猛暑や豪雨などの異常気象が続き、私たちの健康と暮らしを守るための早急な対応が迫られている。小平市は策定中の第三次小平市環境基本計画(仮称)の素案作りに市民の意見を反映させようと、このほど計画の概要を伝える動画をYouTubeにアップした。コロナ禍の影響で予定した地域懇談会が開催できなくなったための措置で、素案前の骨子を公開して意見を募集するのは珍しい。(画面は、YouTube「小平市の新計画の概要」から)
2012年に策定した第二次環境基本計画は、市民公募委員を含む環境審議会と市役所内の検討委員会で議論を重ね、環境意識調査と市民活動団体アンケートを実施した上で素案を作成。パブリックコメント(意見公募)や市民懇談会を実施して計画案を作った。
第三次計画(2021~2030年)の策定に向けては、今春から地域懇談会の開催を数カ所で予定していたが、新型コロナウイルス拡大のため予定した通り開催できなくなり、文書資料とともに新たに動画配信を通じて意見を募るかたちを導入した。
アップした動画は3本で各十数分。「小平市を取り巻く環境の状況」では地球温暖化や生物多様性をめぐる国際的動向や日本、東京都、小平市の現状などをレジュメと音声によって簡潔に解説。「小平市のこれまでの取組」では「二酸化炭素排出量の削減」「水と緑のネットワークづくり」といった重点施策の成果などを説明している。
「小平市の新計画の概要」では、「食品ロスの削減計画の検討」「ごみ分別アプリの活用」「小平・村山・大和衛生組合(仮称)新ごみ焼却施設の整備」「小平産果物のブランド化」「SNS等を駆使した環境情報の発信」といった取り組み案が新たに盛り込まれている。
意見はウェブを通じて投稿できるほか、ウェブを視聴できない市民向けに7月18日午前10時からルネこだいら(小平市民文化会館)で地域懇談会を開催する。職員の説明による飛沫を防ぐため、今回アップした動画を上映する。今後、市民の意見を参考に素案を作り、11~12月のパブリックコメントに進む。
環境政策課の神山伸一課長は「従来の計画作りでは、議会や審議会、検討委員会で市民から意見を聴くことはあっても、市民に広く開示するのは計画があらかた固まった素案段階が多かった。できるだけ市民の意見を反映させるために、素案作りの前に今回の動画も参照して多くの意見をいただきたい」と話している。
(片岡義博)
【関連情報】
・(仮称)小平市第三次環境基本計画策定に係る地域懇談会(小平市)
・(仮称)小平市第三次環境基本計画の策定(小平市)
・(仮称)小平市第三次環境基本計画
(YouTube版動画 画面をクリックすると動画が始まります)
Ⅰ「小平市を取り巻く環境の状況」
Ⅱ 「小平市のこれまでの取組」
Ⅲ 「新計画の概要」
【筆者略歴】
片岡義博(かたおか・よしひろ)
1962年生まれ。共同通信社文化部記者として演劇、論壇などを担当。2007年フリーに。2009年から全国52新聞社と共同通信のウェブサイト「47NEWS」で「新刊レビュー」を連載。著書に『文章のそうじ術』(言視舎)など。小平市在住。
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