モッコウバラの立つ 「倚りかからず」にまっすぐ【Photo歳時記】
今年もまたモッコウバラの季節が巡ってきた。昨年と同じく緊急事態宣言が発動された春の大型連休。多摩湖自転車歩行者道を五日市街道の起点から2キロほど進んだ左側、子どもの遊具がいくつか設置されたあたりに、まっすぐに立つモッコウバラが見える。(写真は、多摩自転車歩行者道の脇にあるモッコウバラ。筆者撮影)
小さな花を枝いっぱいに咲かせる。住宅街でも生垣や庭のアーチを華やかに演出し、行きかう人の目を楽しませてくれる。やさしい香りも可憐だ。開いた傘のように大きく枝を広げ、黄色の花をたわわにつけている風景に初めて出会った時の感動は忘れられない。
大振りのモッコウバラは、斜めやアーチ型ではなく、まっすぐに立って枝を広げる。その姿に毎年目を奪われてきた。支柱はあるのだろうが、自立しているように見える。茨木のり子さんの「倚りかからず」がふと心に浮かんだ。詩人73歳の時の作品だ。じぶんは二本の足のみで倚りかからず立っているか。
(卯野右子)
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卯野さん 写真の色合い、構図、雰囲気に癒され、解説文は勉強になります。自身、体力減退、そしてコロナ禍の中、外回りがおっくうになってきて元気をもらえます。