日本一丸ポスト内のタイムカプセルを開封 10年後のわが子への手紙 小平市制施行60周年記念事業
10年後のわが子に向けて10年前に書かれた手紙を入れたタイムカプセルの開封式が10月1日、ルネこだいら(小平市民文化会館)前の「日本一丸ポスト」横で行われた。小平市制施行60周年記念事業の一つで、家族への大切な思いが詰まった手紙が親子に手渡された。
小平が町から市になったのは1962年10月1日。当時の人口は7万人余りだった(現在は約19万5千人)。市は2012年、市制施行50周年記念事業として「タイムカプセル〜10年後の大切な人への手紙」を企画。当時、小学4年生の子どもを持つ親が10年後のわが子に向けて書いた手紙数十通をタイムカプセルに入れ、小平名物の日本一大きな丸ポスト(高さ約 280センチ、直径約80センチ)の上部ふた部分に収納した。
その10年後に当たるこの日の午後4時、13トンクレーンで重さ220キロある丸ポスト上部のふたを持ち上げ、タイムカプセルが取り出された。カプセル開封後、集まった親子約30人に手紙が手渡された。
その場で開封する親子もいれば、そのまま持ち帰る姿も。母親からの手紙を読んだ菊池洸寿さん(19)は「『地に足を着けて生きなさい』と普段、親から言われていることを10年前にも書かれていたことに驚いた。その言葉を忘れずに生きていこうと思う」と話す。母親の晃子さんは「普段は顔を合わせていても、なかなか言葉のやり取りはできない。こうして照れながらでも手紙を通して話ができたのは良かったです」と語った。
実は小林洋子市長も手紙を書いた親の一人。「四年生の拓海はとってもやさしくてがんばりやで元気なすてきな男の子です」から始まる手紙は「20才の拓海がんばれ! お母さんはいつでも応援しているよ」と結ばれていた。
この日午前には市制施行60周年記念式典がルネこだいら大ホールで開かれ、自治功労者らへの表彰式の前後に、江戸時代から地元に伝わる鈴木ばやしやジャズ演奏などが披露された。
市制施行60周年記念事業としてはこのほか、小平市で晩年の約10年間を過ごした彫刻家・平櫛田中(1872〜1979年)の生誕150年を記念する特別展が、平櫛田中彫刻美術館(小平市学園西町)で11月27日まで開かれている。約120年ぶりの公開となる「樵夫」をはじめ全国の美術館や博物館に所蔵されている代表的な作品約60点を紹介している。
(片岡義博)
【関連情報】
・【平成24年実施済】タイムカプセル10年後の大切な人への手紙(小平市)
・平櫛田中彫刻美術館 展覧会(小平市)
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