飲食ブース並ばずに買える「ファストパス」が返礼品 西東京市民まつりでクラウドファンディング
11月に4年ぶりに開催される第20回西東京市民まつりの実行委員会は10月1日、まつり開催に向けたクラウドファンディングをスタートした。大幅な増額となった開催諸経費にあてるとともに、「西東京市民まつりを継続して運営するための財政的基盤を作る」ことが目的。返礼品にはまつり当日、飲食店などの物販ブースで並ばずに買える「ファストパス」やオリジナルのTシャツ、手ぬぐいなどを用意。実行委では「皆さんにご理解いただき、お力をお借りしたい」とクラウドファンディングへの協力を呼び掛けている。(画像は支援を呼びかけるサイトから)
■ 4年前より経費1300万円アップ
西東京市民まつりは、2001年の市の合併を機にスタート。市民と商工業者、農業者、公益的団体などで組織された実行委員会と、西東京市の共催で同市緑町の西東京いこいの森公園を会場に開催され、毎回10万人以上が訪れている。コロナ禍で20年から3年間中止となっていたが、今年は11月11、12日に4年ぶりの開催が決まり、まつりのテーマも「みんなでつくる市民まつり」に一新した。
一方、実行委の出店部長、山本泰嗣さんによれば、この4年間に人件費の高騰や、コロナ禍での物流混乱、ウクライナ情勢による物価高騰もあり、会場設営費などの開催諸経費は前回の19年に比べて1300万円以上も増額。出店料や野外ステージ出演者の参加費、協賛金、市からの補助金だけでは厳しい状態で、開催資金確保としてクラウドファンディング実施を決めた。
同時に、「市民の方と市内事業者が一緒に楽しみ、市内の文化芸術を楽しむ方たちの発表の場ともなる西東京市民まつりを今後継続的に開催するため」に役立てたいともしている。
■ 1500円から5万円まで5コース
今回のクラウドファンディングは1500円、3000円、6000円、1万円、5万円の5コース(いずれも人数限定)。1500円コースはおもに会場に来られない人を想定し、オリジナル手ぬぐいが返礼品(指定場所での引き渡し)となるが、他の4コースの目玉は会場で使える「ファストパス」。同まつりでは毎回、飲食を中心に物販ブースが混雑し、行列で30分以上待つこともある。そこで実行委では「行列」の解消策として、趣旨に賛同した出店者のブースで並ばずに商品を購入できるリストバンド型のファストパスを返礼品とした。これに加えて、3000円コースは手ぬぐい、6000円コースは手ぬぐいとオリジナルTシャツ(黒、フリーサイズ、以下同)、1万円コースは手ぬぐいとTシャツに地場産野菜詰合せ(1セット)がつく(返礼品はまつり会場で引き渡し)。さらに両日各2組限定の5万円コースは、市民まつりの会場でテーブル席(最大4人)を使えるほか、申し込み参加人数分のファストパス、地場産野菜詰合せ、手ぬぐい、Tシャツと市民まつり特製長張り提灯(1本)という内容。
■ 目標金額50万円
募集は、クラウドファンディングサイト「キャンプファイヤー」で11月4日まで行われるほか、まつり当日も一部のコースで募集。目標金額は50万円、オールイン方式で目標額に到達しない場合も集まった金額がファンディングされる。
「4年前と取り巻く環境が大きく変わり、厳しい状況のなか、今後も継続して市民まつりを運営するためのクラウドファンディング。少しでも繰越金を残し、翌年につなげていければ。まつりのテーマ『みんなでつくる市民まつり』を皆さんにもご理解いただき、ご支援をお願いします」と実行委員長の岡田勇さん。
飲食店を経営する山本さんも「まつりでは古きよきものを大事にしつつ、新しいことにもチャレンジ。一事業者として皆さんと一緒に街を盛り上げたい」と意気込んでいる。
(倉野武)
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